一般社団法人の「理事」とは、株式会社でいう取締役のような存在で、法人の運営をする人のことです。

もう少し詳しく言うと、一般社団法人の業務執行をおこなう役員であり、対外的には一般社団法人を代表する権限を持ちます。

一般社団法人 理事の人数と代表理事の関係

一般社団法人の理事の人数は、理事会を設置するかしないかで変わります。

理事会を設置しない場合

理事会を設置しない場合の理事の人数は最低1人以上となります。代表理事は選任しても、しなくても良いとされています。

代表理事を選任しない場合は、理事全員が一般社団法人を代表する権限を持つことになります。

理事会を設置する場合

理事会を設置する場合、最低3人以上の理事の選任が必用となります。そして、理事会を設置すると、定款や理事会の決議で必ず「代表理事」を選任しなければなりません。

代表理事は一般社団法人代表する権限を持ち、その他の理事は代表権限は持ちません。

※ここでいう「業務執行」とは、法人のなんらかの事務を行うことでなく、具体的事業活動に関与することを意味します。

代表理事は一人だけではなく、複数の者を選任することができます。

理事の義務

一般社団法人の理事には、いくつかの義務が与えられています。

代表的なものは

  1. 一般社団法人に対して著しい損害を与えるおそれがある事実を知った場合に、ただちにその事実を社員や監事に報告すること
  2. 一般社団法人に対し、理事としての職務を誠実に行う「忠実義務」
  3. 一般社団法人と同種・類似の事業を別の法人で行わない「競合避止義務」
  4. 利益相反取引の禁止義務

などが挙げられます。

競合避止義務とはなにか?

「競合避止義務」とは、例えば、理事が別の会社を作って所属している一般社団法人と同種の業務を行ってはならないという義務のことです。

この義務に違反すると「競合避止義務反」となります。

利益相反取引とはなにか?

「利益相反取引」とは以下のような行為を言います。

  • 理事と一般社団法人の利益が相反する状況となるような取引を、一般社団法人と理事以外の者との間で行うこと
  • 一般社団法人が理事の債務を保証すること

理事の任期について

理事の任期は2年以内です。

正確には、理事の選任された日から2年以内の終了する事業年度のうち、最終の事業年度の定時総会が集結するまでの期間なります。

例)事業年度が9月1日から翌年8月31日までの一般社団法人で、平成26年10月31日に理事に選任された場合、その任期は平成28年8月31日までの事業年度に関する定時社員総会が集結する日までとなります。