非営利型の一般社団法人には、
①営利性が徹底された法人
②公益活動を目的とする法人
の2種類が存在します。
このページでは、それぞれの違いと、その設立の条件についてご説明します。
非営利性が徹底された一般社団法人ってなに?
非営利型一般社団法人の「非営利性が徹底された法人」とは、事業で利益を得ることを目的しないで活動することが前提となる法人のことです。
もし、利益が出た場合でも、社員に利益を配らず、法人が解散する際に残ったは財産を社員や従業員ではなく国や他の公益団体へ寄付したりするように定款=法人の憲法に定める必要があります。
以下で非営利性が徹底された法人になるための具体的な条件を見ていきましょう。
非営利性が徹底された一般社団法人になるための条件
非営利性が徹底された一般社団法人となるためには、以下のような条件を満たさなくてはなりません。
- 定款に特定の個人や団体に剰余金=利益の分配を行わないという定めがあること
- 定款に法人解散時、残った財産を国、地方公共団体、公益社団法人、公益財団法人等のいずれかに譲るという定めがあること
- 理事に関して、理事とその親族である理事の人数が理事総数の3分の1以下であること
など
公益活動を目的とする一般社団法人ってなに?
公益活動を目的とする一般社団法人とは、基本的に非営利を目的としながら、法人の会員から受け取る「会費」により事業活動を行う法人のことです。
非営利性が徹底された法人と比べると「会員に共通する利益を得るための事業を行う」という点で異なります。従って、社員の一族など、特定の人だけが利益を得るような事業を行うことはできません。
公益活動を目的とする一般社団法人になるための条件
公益活動を目的とする一般社団法人となるためには、下記のような条件を満たさなくてはなりません。
- 主として会員相互の支援、交流など会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること
- 主たる事業として収益活動を行わないこと
- 定款に特定の個人や団体に剰余金=利益の分配を行わないという定めがあること
- 定款に、法人解散時に残った財産を特定の個人または団体に譲るのではなく、国、地方公共団体、公益社団法人、公益財団法人等のいずれかに譲るという定めがあること
- 理事に関して、理事とその親族である理事、理事と一定の特殊な関係にある理事の人数が理事総数の3分の1以下であること
理事と特殊な関係にある者ってなに?
理事と特殊な関係にある者とは次の者です。
- 理事の配偶者
- 理事の3親等内の親族
- 理事と事実上の婚姻関係にある者
- 理事の使用人
- 1~4以外の者で、理事から受ける金銭などで生計を維持している者
- 1~5の者と生計を同一にする者の配偶者または3親等内の親族
一般社団法人の理事は、株式会社でいう取締役であり、法人の運営に関する意思決定機関として理事会が存在するため、いわゆる同族企業のような特定の者に利益が集中しないように理事に関する条件が詳細に決められています。
まとめ
2種類の非営利型法人のタイプはご理解いただけましたでしょうか。一般社団法人設立にあたり、設立目的に照らし合わせどちらの形態にするかは、非常に判断のつきにくいこともあります。