「一般社団法人を設立するときの資本金はいくら位が良いですか?」

当事務所は、このようなご相談をよく頂きます。株式会社や合同会社を設立する場合は、資本金が必要になることはご存知かと思います。では、一般社団法人の場合はどうでしょう?

以下でお答えしますので設立時の参考にしてください。

一般社団法人は基金 株式会社は資本金

ここでは、ご理解いただきやすいように株式会社と一般社団法人を比較してご説明します。

株式会社の場合

株式会社を設立するときの資本金にあたるものを、一般社団法人では「基金」と言います。
株式会社は設立のさいに必ず資本金が必要になります。資本金は会社の業務を行うために必要な資金となり、本来は資本金の中から法人運営に必要な、当面の経費などを支出します。

一般社団法人の場合

一方で、一般社団法人は株式会社の資本金にあたるお金を集めなくても設立することができます。つまり、登録免許税などを除けば0円で設立可能ということです(これが一般社団法人を設立しやすい要因の一つとなります)。

とはいえ、法人として活動するにはお金が必要になります。そのため、一般社団法人では「基金」という制度を利用して法人の活動に必要な資金を集めることが可能となっています。

基金についてもう少し詳しく解説すると

基金とは、一般社団法人の活動に必要な原資となるお金であるということは先ほど述べたとおりです。この基金について、もう少し詳しく説明して参ります。

基金は誰からでも集められるお金

基金は、一般社団法人の社員だけから集める必要はありません。つまり、社員以外の第3者から集めてもいいわけです。
なお、一般社団法人の社員とは、法人の運営に関する重要な事柄を決める権限を持つ人のことで、従業員のことではありません。

集めた基金には返済義務が伴う

株式会社の資本金=出資金が返す義務のないお金であるのに対し、一般社団法人の基金は返済の義務が伴います
どのようなときに返済するかというと、一般社団法人が解散した時に返済の義務が発生します。

基金は利用してもしなくても良い

一般社団法人は基金がなくても設立できます。従って、株式会社の資本金とは異なり、必ず設立時に必要となるわけではありません。これも、一般社団法人が設立しやすい一因となります。

どうすれば基金制度を作れるの?

よし、じゃあ基金でお金を集めよう!

そう思っても、いきなり基金=事業活動に必要なお金を集めることはできません。基金を募集するには、まず定款で基金を設置することを定める必要があります。

一般社団法人設立時に定款で基金を設置することを定めていれば問題ありませんが、設立後に基金を設置することを定めるには「社員総会」を開いて基金を設置することを決めるための決議が必要となります。

 

これから一般社団法人を設立する方は、事業活動を行うなかで基金の募集が必要になるか否かを想定して定款作成することをおすすめします。

基金制度を定款に盛り込むには、基金を出す人に関する事項や、返還手続きの方法などを定款に盛り込まなければいけません。

なお、基金は必ずお金でないといけないということはなく、例えば、家や車などお金以外のものを基金とすることも可能です。これは株式会社でいう「現物出資」と同じですね。

 

まとめ

一般社団法人は、株式会社の資本金にあたるお金なしで設立が可能です。ただし、法人の運営には必ず経費がかかるために、それをまかなうためのお金が必要になります。

法人を運営するために潤沢な資金があるという方以外は、うまく基金を利用して一般社団法人を運営することも可能です。

基金を利用するべきかどうかお悩みの方は、名駅の行政書士事務所シフトアップにお気軽にご相談ください。